日本の人口問題

−保全生態学からの提言−

 

日時:2004年12月12日(日) 13:00−16:30

場所:横浜国立大学教育文化ホール(横浜市保土ヶ谷区常盤台79-1

参加費は無料でどなたでも参加できます.予約は不要ですので当日会場においでください.

 

このシンポジウムの記録(論文と質疑応答)は日本生態学会関東地区会報(第53号)として出版されました。ここをクリックしてダウンロードできます

 

 

交通案内:

 http://www.ynu.ac.jp/ynu/map/1.html

(1)横浜駅からタクシー:混雑していないときは1500円くらい。

(2)横浜駅、関内、桜木町、新横浜駅などから横浜市営地下鉄。「三ツ沢上町」下車。 徒歩15分。

(3)横浜駅からバス(片道210円)。「岡沢町」下車徒歩5分。バスは横浜駅から15分間隔くらい

 横浜市営バス:横浜駅西口バスターミナル11番、202系統循環外回り、約20分。

 相鉄バス:横浜駅西口バスターミナル10番、交通裁判所行きバス約15分。

 

 

趣旨: 保全生態学は野生生物の保全のための学問であるが,同じく生物であるヒトにも応用可能であろう.日本人の人口統計学的パラメータは絶滅危惧種なみである.都道府県単位の統計では,人口密度が高いと合計出生率が低く,現象としては有意な密度効果が検出される.特に都市では生物としてのヒトの生活環をうまく全うできていないことを意味しているのかもしれない.そこで保全生態学の立場から日本の人口問題を考えてみたい.

 

12:30 開場

13:00−13:05 開会

 

13:05−14:05

講演: 戦後日本の高度成長は若者に何をもたらしたか

長谷川眞理子(早稲田大学,政経学部)

 戦後日本の高度成長は、単に国民所得を増やしただけでなく、日本人の社会・経済・労働環境、家族の様相など、生活のすべての面にわたって大きな変化をもたらした。この急激な変化は、そこで次々と育っていく世代にどんな影響をもたらし、この変化に伴って日本人はどのように変化しただろうか? 殺人という、対人葛藤に関するリスク行動と、殺人以外のリスク行動を題材にして、その変化をたどってみたい。

 

14:05−14:50

講演: 都市環境の人工化と生活者の健康との関係について 

 −横浜市、川崎市を対象とした調査と分析−

田中貴宏(神戸大学,大学院自然科学研究科)

 都市環境の人工化が引き起こす人々の健康への影響を把握することは、今後の都市のあり方を考える上で重要であると考えられる。そこで、本調査ではその因果関係を把握するための第一歩として都市環境の人工化と人間の心身の健康との間の関係を把握することを目的とした。具体的には、横浜市および川崎市の各区を対象に、各種統計データより「地域自然度」、「生活者の精神不健康度」および「生活者の身体不健康度」を区ごとに算出し、それら指標間の比較を行った。その結果、「地域自然度」と「生活者の精神不健康度」、および「地域自然度」と「生活者の身体不健康度」との間に強い負の相関が見られた。都市環境の過度な人工化の結果として人間の心身の健康への悪影響が現象として現れているという事が考えられる。

 

14:50−16:05

講演: 日本の出生力低下の諸要因:人類生態学からの検討

中澤 港(群馬大学,医学系研究科)

 日本の人口転換は世界に類例をみないほど急速に起こった。最近では出生力の低下に歯止めがかからず,合計出生率(TFR)が1.30を切ったというニュースは新聞などでも話題になったばかりである。政府はこれを「少子化問題」として捉え,エンゼルプラン,新エンゼルプランなどで対策を工夫しているけれども実効が上がっていないのが現状である。理由の一つには,出生力低下の要因が判明していないことがあると思われる。これまで相対的に軽視されてきた生物学的な要因も含めて先行研究をレビューし,日本の現状をどれくらい説明できるのか,出生力低下の諸要因を人類生態学の立場から検討してみたい。

 

16:10−16:30

総合討論

 

 

 

16:40−17:00

日本生態学会関東地区総会(生態学会関東地区会員のみ)

 

 

 

 

 

主催:日本生態学会関東地区会  共催:国際生態学センター

連絡先:小池文人 〒240-8501 横浜市保土ヶ谷区常盤台79-7 横浜国立大学環境情報研究院,

電話・Fax 045-339-4356,koikef@ynu.ac.jp http://vege1.kan.ynu.ac.jp/esj/index.html