1997年9月11日,200年5月11日更新
レーザー距離計を使った林冠トモグラフィ
レーザー距離計を使った林冠トモグラフィを試作しました.写真を用いた方法よりも簡単にできます.
システム構成:
- レーザー距離計
ライカ社(地上測量・工業計測部,03-3292-9815),Power DATA DISTO RS232(4.75mw, 620-690nm, 測距機能80m,ビーム径0.5mrad,定価29万円,新機種のDISTO MEMOのほうが良い)
- 方位と高度の自動制御
Meade社,LX200天体望遠鏡(定価39万円.鏡筒はレーザーの集光望遠鏡でなくて,ただあるだけ)
- システム全体の制御と葉群密度の計算など
DOS/Vのノートパソコン(Windows95,RS-232Cポートが2つ必要)
- 野外での電源
ホンダ社,EX300ポータブル発電器(切替外部タンク付,約6時間)
(登山道をひとりで運ぶには電源を含めて2往復必要です)
ソフトウェアの概要: (マイクロソフト社,VisualBASIC5.0にてプログラム作成)
- 林冠トモグラフィ機能 (森林の林冠の3次元的な葉群密度分布の自動測定)
- トータルステーション機能 (反射板不要の3次元座標測定,座標既知地点をもとにした最小二乗法での測定器据付位置・方位の計算(平行移動とxyz軸回転))
- レーザー距離計と天体望遠鏡にキーボードから直接コマンドを送る機能
レーザー距離計による林冠トモグラフィの使用例:
大山,三ノ沢の河床にあるヤマハンノキ(左側),ブナ(右手前),ヤナギ類(右奥)の樹冠.座標軸の1単位は1.25mに相当し空間解像度も1.25m×1.25m×1.25m.計測は1地点(6.0, 7.0, 1.06)から行い,ビーム数は1296本,測定にかかった時間は旧システムで約6時間.1997年8月のデータから計算した.
VisualBASICのプログラム
(ダウンロード)1.5MB
<変更点 2000年3月>
- 現地での測定を高速化(約3倍,DISTO MEMOを使用)
- トータルステーション機能との連携強化(座標が既知の地点をポイントすることにより測定器の座標や座標軸の回転を計算)
- 地形の自動検出と地面からの反射の自動的な除外
- 葉群密度の計算において葉群分布の偏りの影響を補正
- ソースプログラムが必要な方はご一報ください
関連する学会発表等
レーザー距離計を使用した林冠トモグラフィ,生態学会大会,1999年(松本)
照葉樹林における地形と林冠構造,生態学会大会,2000年(広島)
(この研究の一部は新技術開発財団の助成を受けて行いました)
小池文人 (ホームページ)
横浜国立大学大学院 環境情報研究院 自然環境と情報研究部門
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