2019年 都市の森で採れるナッツ類とお菓子
2019年10月26日(土)
大学参加者 宮田、森、平栗、川本、松本(三)、樋口、宮崎、小池
高校生参加者 5名
|
|
スダジイ 福島県以南で海岸近くの極相林の優占種 |
マテバシイ 九州などに自生,関東地方に植栽・野生化 |
趣旨
都市の自然を知り、それを利用するライフスタイルを開発して社会への普及を図ります。今回は残存林に自生しているスダジイと植栽されたマテバシイのどんぐりを採取、製菓して試食しました。
スケジュール 9:00 総合研究棟入口集合,実験室に移動 9:00 勉強会 10:30 YNUキャンパスでどんぐり採集 11:30 昼食(持参) 12:30 殻むき 14:00 製菓 16:30 お茶会 17:00 片つけ 17:30 解散 |
勉強会 1. 趣旨と今日の予定(小池) 2. どんぐり料理(片柳) 3. 植物の種子散布(川本) 4. ブナ科の木の実の進化(川本) 5. 木の実の渋抜き・毒抜き技術(松本(三)) 6. 世界のナッツ利用(土橋) 7. 日本のナッツ利用の歴史(森)
|
製菓
少ないといってもタンニンがあるので渋抜きする(同じコナラ亜科のクリも広義のどんぐりで状況により渋抜きする)
<タンニンの特徴>
・水に溶ける
・重曹でよく溶ける.タンニンの色が黒化する
・タンパク質と結合して不溶化
<今回の基本的な方針>
・まず重曹で可溶化して渋抜き.食べる前に牛乳(タンパク質)で処理(辰巳芳子著「味覚日乗」)
・クッキー生地やケーキ生地には牛乳かスキムミルク(タンパク質)を使う
・生地にベーキングパウダー(重曹)は使わない(タンニンが溶け色も黒くなる)
・生クリーム(タンパク質を含む)にはドングリ粉を混ぜない
今回はミキサーが故障したため粒として利用しました...
試食によるお薦めメニュー(高校生5名,学部生4名,大学院生1名)
クッキー* |
★★★★★ |
ケーキ |
★★★★★ |
マテバシイ甘露煮(トッピング用) |
★★★★★ |
アズマネザサ茶 |
★★★★★ |
生スダジイ |
★★★ |
生マテバシイ |
★★ |
殻煎りスダジイ |
★★★ |
殻煎りマテバシイ |
★★ |
蒸しスダジイ |
★★★ |
渋抜きゆでマテバシイ |
★★★ |
バター炒りスダジイ |
★★★ |
バター炒りマテバシイ |
★★★ |
揚げ蜜(大学芋風)スダジイ |
★★★★ |
揚げ蜜(大学芋風)マテバシイ |
★★★ |
1:食べたくない、2:我慢できる、3:普通、4:美味しい、5:とても美味しい
*クッキーはマテバシイ甘露煮をトッピングしたものが特に好評でした.スダジイはしっかり蒸して柔らかくするのが良さそうです.
後日談
残って硬くなったスダジイの実でチーズリゾットをつくりました.スダジイは生米とちがって炊きあがりで体積が増えず溶け出さないので,リゾットに向いているかもしれません.照葉樹林の恵みとしていかがでしょうか.
スダジイのリゾット
材料:スダジイどんぐり,たまねぎ,バター,粉チーズ,コンソメ,黒こしょう
(スダジイは殻から取り出して蒸したものを使用しましたが,ゆでこぼしたものを使用しても良いかもしれません)
参考
ブナ目とブナ科の系統樹
http://www.nibb.ac.jp/evodevo/tree/mac%20mini_tree/13_10_08_02_Fagaceae.html