外来生物の一般的な分布拡大パターン

 

緊急に情報が必要であり,詳細な予測モデルを構築しパラメータを決定するための時間がないときには,とりあえずの近似として一般的な外来生物の分布拡大パターンを適用するのがよいと思われます.ここでは,すでに分布拡大を終了した11種の外来昆虫(屋外種,室内種とも)の分布拡大のようすを合成して作成した一般的なパターンを示します.

 

 

将来予測

 

 

 

概 況

 

l  はじめは関東,中京,近畿,広島,福岡などの大都市圏から定着する場合が多く見られます.

l  その後は太平洋ベルト地帯に分布を拡大して行くでしょう.

l  山陰,や北陸などの日本海側や熊本県,四国の一部などでは遅れて到着します.

l  北海道や東北地方北部など北日本では,気候的に生息できない種もあります.

 

 

 

注意・警戒すべきこと

 

l  新型インフルエンザも分布拡大する外来生物であり,おおむねこのパターンに従う可能性があります.ただし気候的な北限が無いのであれば,北日本にはこの図よりも早く到達する可能性があります.

 

 

掲載日:2009521日 

分布データ: 特殊報の情報などをもとに森本信生(中央農業総合研究センター)が取りまとめたもの

予測方法: 小池文人(横浜国立大学), 予測計算: 森本信生

植物防疫に関する害虫の発生情報は都道府県知事が特殊報として報告する義務がある.この情報をもとに都道府県ごとの1対比較で侵入順序の星取表を作成し,これを合成して一般的な分布拡大パターンを得た.原理的には現在分布拡大中の種の情報を用いることもできる.

概況,注意・警戒事項の記載者: 小池文人

 

 

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