ツマジロクサヨトウ

 

英名: Fall armyworm

学名: Spodoptera frugiperda

原産地・生態:  ガのなかまでアメリカの熱帯に分布するが,最近になって2016年にアフリカ,2018年に南アジア,2019年に中国にと日本に侵入している.
 熱帯など温暖な地域で越冬するが毎年季節的に北上し,北部では晩夏や初秋に被害が発生する.幼虫がトウモロコシやイネのほかマメ科やリンゴなども食害する.
 成虫が風に乗って長距離を飛行するほか野菜や花,その他の物資について移動すると考えられている.

 

情報源

農水省: ツマジロクサヨトウに関する情報

http://www.maff.go.jp/j/syouan/syokubo/keneki/k_kokunai/tumajiro.html

CABI: 侵略種の要覧:ツマジロクサヨトウ

https://www.cabi.org/isc/datasheet/29810

 

 

将来予測

 

 

色の濃いところで早くから侵入すると予測された. 過去の多くの外来種の分布拡大データからパターンが類似したものを合成している.

 海外などからの貨物の移動による長距離移動と,国内の貨物による移動,モンスーンに乗った長距離の分布拡大,近距離の能動的な分布拡大をともに含む.

 

 

 

 

 

2020929日の予測.

赤文字は既侵入,青文字は侵入時に平均気温10度以下.誤差は57日程度.

都道府県

予測

都道府県

予測

都道府県

予測

長崎

20204

福島

20206

鳥取

20207

大分

20204

愛知

20206

埼玉

20208

福岡

20204

茨城

20206

栃木

20208

宮崎

20204

和歌山

20206

北海道

20208

沖縄

20204

三重

20206

群馬

20208

鹿児島

20204

神奈川

20206

山梨

20208

熊本

20205

香川

20206

長野

20208

佐賀

20205

青森

20206

新潟

20208

山口

20205

徳島

20206

福井

20209

岡山

20205

奈良

20206

宮城

20209

高知

20205

京都

20206

石川

20209

愛媛

20205

静岡

20207

富山

20209

千葉

20205

岐阜

20207

岩手

20209

広島

20205

東京

20207

山形

20209

大阪

20206

滋賀

20207

秋田

202010

兵庫

20206

島根

20207

 

 

 

 

2020629日の予測.

赤文字は既侵入,青文字は侵入時に平均気温10度以下.誤差は47日程度.

都道府県

予測

都道府県

予測

都道府県

予測

沖縄

20204

兵庫

20206

埼玉

20208

長崎

20204

徳島

20206

福島

20208

鹿児島

20204

奈良

20206

山梨

20208

大分

20204

三重

20206

石川

20209

宮崎

20204

愛知

20206

群馬

20209

福岡

20204

京都

20206

長野

20209

熊本

20204

島根

20207

栃木

20209

佐賀

20204

鳥取

20207

富山

20209

山口

20205

滋賀

20207

新潟

20209

高知

20205

静岡

20207

青森

20209

愛媛

20205

岐阜

20207

山形

202010

岡山

20205

千葉

20207

秋田

202010

広島

20205

神奈川

20207

宮城

202010

和歌山

20205

茨城

20208

北海道

202011

香川

20206

東京

20208

岩手

202011

大阪

20206

福井

20208

 

 

 

2019年の予測

 

 

 

概 況

 

1.2020年は沖縄・鹿児島南部で1月から見られ,西南日本においては4月から分布拡大が始まり,9月にはほぼ全土に分布拡大した

 

注意・警戒すべきこと

 

1.来年も南の地域から北に向かって季節的な分布拡大が繰り返される可能性が高い.

 

 

 

掲載日: 2019829日,2020929日改訂

 

計算方法: 

・これまで知られている外来生物の分布拡大パターンの中から初期の分布拡大パターンがツマジロクサヨトウに類似した種を抽出し,これを合成することで予測を行った.
・計算には「みんなでGISの応用プログラム「外来生物侵入順序解析」を使用した.詳細はKoike & Morimoto 2018参照.
2020年では東西や南北方向も地理的距離も教師データの一つとして投入した.

予測計算,種特性の記載,概況,注意・警戒事項の記載者:  小池文人(横浜国大),既分布の外来生物の分布拡大データは森本信生(畜産草地研究所),および昆虫情報処理研究会のゴケグモ類の情報センター,厚生労働省による過去の新型インフルエンザ情報(過去のまとめ検証用),環境省のヒアリに関する諸情報について,農林水産省の野生イノシシの豚コレラに関する情報などによる.

 

ツマジロクサヨトウの分布情報は農林水産省の「ツマジロクサヨトウに関する情報」ページより.

 

 

文献:

Koike, F. and Morimoto, N. 2018. Supervised forecasting of the range expansion of novel non-indigenous organisms: alien pest organisms and the 2009 H1N1 flu pandemic. Global Ecology and Biogeography 27:991–1000. https://doi.org/10.1111/geb.12754

 

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